なぜ今“対話”なのか?

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対話ってなに?~会話と議論との違い~

ところで、あなたがイメージする「対話」とはどのようなものでしょうか?対話は、会話や議論などと混同されやすく、人によってその定義が曖昧だったりします。「対話=とりあえず話す」になってたりしていませんか?会話・議論との違いを踏まえ、今一度「対話とは何か」を考えてみましょう。

「会話」とはお互いの印象を良くし関係性を築いたり確認したりするコミュニケーション。「議論」は意思決定など結論に導くための情報を出し合い、白黒付けたり意見を戦わせたり、どの主張が正しいかを決めたりするもの。

そして「対話」とは、お互いの前提や意見の“違い”をわかり合おうとするもので、その場にいるみんなでテーマについて探求したり気づいたりするものです。

なぜ今“対話”なのか?

まちづくりの分野では、利害関係の違う参加者同士が対等に話し合い、協力し合える関係を築いていくためのコミュニケーションとして「対話」が用いられたりしてきました。

近年、ビジネスの分野では「心理的安全性」の醸成や「組織開発」の文脈で、組織内のコミュニケーションで「対話」を用いたり、多様な人材が知見を共有しイノベーションを創出する場のコミュニケーションとして活用されたりしています。また医療の分野では、精神疾患の治療において「対話型コミュニケーション」により患者やステークホルダーの関係構築や認知の拡張というアプローチで「対話」を用いたりするそうです。

そして、教育の分野でも「アクティブラーニング」や「主体的学び」を起こす手法として、「対話」を用いることでアウトプットを促し学習効果を高めることに活用されています。

人間社会における様々なシーンで、この「対話」というコミュニケーションを用いることが今求められている背景は、「正解を誰も持っていない問題」に知識も経験も違う人同士で取り組むことが増えたことや、価値観や視点が違う人同士で物事を進めるプロジェクト型の組織づくり・仕事の進め方が増えたからなのかもしれません。

“対話”がある場をつくるには?

知識・経験、そして価値観や立場の違う人同士が対話するために大事な要素は「対等性」です。お互いに上下関係や権力の大小がなく、対等な関係で発言できる状態、いわゆる「心理的安全性のある場」であることが大切です。

また、知識・経験や価値観が違う前提であるため「多様性」に寛容な状態であることも大事な要素となります。

それら「対等性」「多様性」に加え、対話によって導かれる未知なる知見への到達、いわゆる「不確実性」をどれだけ受け止められるか、も大事かもしれません。

そのような場づくりを行うための環境づくりや、問いのデザイン、場への介入を行う役割の人を「ファシリテーター」と呼んだりします。授業・講座・研修などで「対話型の学びの場づくり」を行う人のことを「ラーニング・ファシリテーター」と呼ぶこともあります。

なぜ対話と学びなのか?

2019年より始動した福岡都市圏にある14大学と、福岡市と、福岡商工会・福岡中小企業経営者協会による「福岡市福岡未来創造プラットフォーム」にて、生涯学習の場づくりとしてリカレントカフェを企画してきました。その中で、下記のような問いが生まれました。

  • 「対話」による気づきや他者を理解することが、新たな自己の発見や自己革新(=学びのアップデート)に有効なのではないか?
  • 気軽な「対話」の場から、より深い「学び」への誘いが可能なのではないか?
  • 「学び」の発意や継続の動機付けに「学びあう」場、仲間が有効なのではないか

そこで、福岡未来創造プラットフォームの有志メンバー「まなびラボ」にて、

①「学び」の重要性と「対話と学び」の関係性を紐解く

②福岡での「対話と学び」の系譜から,「対話と学びのまち」としての潜在力を探る

③まちの成長と市民の幸せに「対話と学び」が果たす役割を確認する

を実施しようと、広く市民が参加できる「対話の場」として生まれたアイデアが、「ふくおか対話と学び学園祭」です。



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